1. はじめに

私的整理への多数決原理の導入(私的整理の多数決化)は、過去  10  年余りの間に何度か検討されてきたが、現在、経済産業省の主導により、改めて議論が進められている。背景としては、私的整理において金融債権者全員の同意が必要であることが、事業再生の円滑化に向けた課題として指摘されてきたことがある。 2022  年  6  月、自動車部品供給会社であるマレリホールディングス㈱の事業再生  ADR  手続(私的整理の一種)が、一部の外資系金融機関の反対により不成立となった(最終的には、民事再生手続における簡易再生という特則を利用)のは、そのような課題が表面化した例の一つである。

2. 事業再構築小委員会報告書について

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※ 本ニューズレターは、2025 年 1 月 10 日現在の情報に基づいています。

2024 年 10 月 31 日に、Directorate of Investment and Company Administration(投資企業管理局、 DICA)から、insolvency    practitioner(「倒産実務家」)の登録フォーム及び費用に関する従前の告示(Notification No.95/2020、「旧告示」)を失効させる旨の告示(Notification No. 177/2024、「本告示」)が公布され、本告示の内容が 2024 年 11 月 29 日付官報に掲載されましたので、その概要をお伝えします。

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はじめに

本来は非適格組織再編であるものを形式的に適格組織再編の要件を充足させ適格組織再編とするなどの手法で租税回避が行われた場合、税務当局により「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」(法人税法132条の2)として更正処分が打たれ、その課税関係を否認(否定)されることがあります(同条を組織再編成に関する行為計算否認規定といいます。)。このような代表的な事例としては、ヤフー事件(最高裁平成28年2月29日第一小法廷判決)、TPR事件(東京地裁令和元年6月27日判決、東京高裁令和元年12月11日判決)が挙げられ、これらはいずれも繰越欠損金の引継ぎが否定された事案です。本稿で紹介するPGM事件(東京地裁令和6年9月27日判決)もグループ会社間の合併による繰越欠損金の引継ぎが問題となった事案ですが、行為計算否認規定を適用してなされた更正処分が初めて裁判所によって取り消された事案として注目に値します※1。

事案の概要

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The bankruptcy of the Mt. Gox cryptocurrency exchange in 2014 was a pivotal moment in cryptocurrency history. It demonstrated the vulnerabilities of early cryptocurrencies and saw the worst fears of the industry become a reality. However, in the years since it has also provided an excellent example of the successful tracing and recovery of a variety of asset classes. Creditors have recently received the first distributions from the recovered assets of Mt Gox, in stark contrast to the initial claims that access to the assets had been lost forever.

Background

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このたび、森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループでは、東南・南アジ ア各国のリーガルニュースを集めたニュースレター、MHM Asian Legal Insights第167 号(2024 年 9 月号)を作成いたしました。今後の皆様の東南・南アジアにおける業務 展開の一助となれば幸いに存じます。 ※本レターに記載した円建て表記は、ご参照のために、各現地通貨を現在の為替レー トで換算したものとなります。 1. タイ: 個人情報保護法(PDPA)施行以来、初の行政罰が適用され た注目事例 タイの個人情報保護委員会(Personal Data Protection Committee:「PDPC」)は、2024 年 8 月 21 日、タイ個人情報保護法(Personal Data Protection Act:「PDPA」)の違反に よる初の行政罰を科したことを発表しました。PDPA の違反による行政罰の実際の適用 は、PDPA が 2022 年に全面的に施行されて以来初めての事例となり、現地でも注目さ れています。 PDPA の違反による初の行政罰の適用事例(「本件」)は、オンライン通販事業を行う 現地企業(「本企業」)から、詐欺的な Scam Call を行う詐欺グループに、大量の個人情 報が流出したという事例です。

Hajime Ueno, Masaru Shibahara and Kotaro Fuji, Nishimura & Asahi

This is an extract from the 2025 edition of GRR's The Asia-Pacific Restructuring Review. The whole publication is available here.

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. . . In such circumstances, sealing the indictment “would undermine the purpose of having a statute of limitations at all.”

Introduction

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このたび、森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループでは、東南・南アジ ア各国のリーガルニュースを集めたニュースレター、MHM Asian Legal Insights第160 号(2024 年 2 月号)を作成いたしました。今後の皆様の東南・南アジアにおける業務 展開の一助となれば幸いに存じます。 ※本レターに記載した円建て表記は、ご参照のために、各現地通貨を現在の為替レー トで換算したものとなります。

マレーシアの Income Tax Act 1967 が改正され、2024 年 1 月 1 日より、一定の会社 の株式の譲渡益はキャピタルゲイン課税の対象となりました。改正後も個人による譲渡 については課税対象外とされていますが、会社等の法人による譲渡の場合は一定の課税 が生じます。 2024 年 1 月 1 日からの譲渡益課税の対象となるのは、以下の会社の株式の譲渡益で す。