1. 2021 年を振り返って 2021 年に中国で最も注目を浴びた立法は「個人情報保護法」でした。また「データ安全法」も公布・施行されており、2017 年施行 の「ネットワーク安全法」と併せてデータ三法が出揃ったことになります。本稿でも紙数を割いて、それらの概要を紹介します。 そのほかにも、会社法、外商投資関連、環境法、破産法、各種取引法、知的財産、労働法、競争法等の各分野における重要な 立法や法改正が幾つもなされました。本稿では、2021 年における重要な立法や法改正を 2 回に分けて解説します。今回は、個人 情報保護法等を含むネットワーク情報関係、会社法分野、外商投資分野、環境法分野、破産法分野の重要立法等を取り上げま す。 2. ネットワーク情報関係 (1) 「中華人民共和国個人情報保護法」(国家主席令 91 号、2021 年 8 月 20 日公布、同年 11 月 1 日施行) ① データ三法に関する全体像 何度かの草案や意見募集を経て、ついに中国における個人情報保護法である中華人民共和国個人情報保護法(以下「個 人情報保護法」といいます。)が制定されました。これまで消費者権益保護法(2013 年改正)、権利侵害責任法(2010 年)といっ た個別法で規定されていた個人の情報保護について規定された点が最大の眼目といえます。
Filed under:
Location:
Firm: