第3回は、「フリーマネーからオペレーショナル・エクセレンスへ」

世界経済は2023年の多くの予想を上回り、2024年に順調なスタートを切ったようだ。中央銀行は、景気後退を回避しながらインフレを抑制するという、捉えどころのないソフトランディングを成し遂げようとしている。

金利は今年中に低下し始めると見込まれるが、中央銀行はインフレを確実に抑制するために金利を高い水準に維持する決意を示している。市場では高金利の長期化のムードが続いており、昨年の米国金利は10年ぶりの高水準を記録し、10年国債の利回りは16年ぶりに5%の閾値を超え、低格付けクレジットの利回りは2008年の金融危機以来のピークに達した。アリックスパートナーズが毎年発表しているディスラプション・インデックスでは、CEOが2024年に自社のビジネスが直面する最大の脅威として「金利」と「インフレ」を挙げている。

このような事業環境を考えれば、倒産が増加しているのは当然だ。昨年、米国の倒産件数は金融危機以来の水準となった。とはいえ、歴史を振り返ってみると、現在の資本コストは特別に高いわけではないことは認識しておくと良いだろう。いまこそ企業は10年間にわたるフリーマネー時代に萎縮した筋肉を鍛えるタイミングだ。これ以降で3つのポイントを紹介する。

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